高い山に囲まれ
辺りは田んぼと民家だけの
のどかな安曇野の地に、
ひと際目立つ建物があります。
ここは、長野県立子ども病院
通常の病院では治療が難しいお子さんなどが県内外から集まっています。
その存在は知っていながら
足を踏み入れる事はなかった私。
今日はここに通院している
茅房栄美さんにお会いする為に訪問しました。
茅房さんは現在
食堂が閉鎖になってしまい
暖かい食事や
心安らぐ場所の無くなってしまった
この子ども病院の中で
身体に優しいお弁当を販売する活動をしています。
お弁当を作るのは、松本市内の方。
茅房さんは病院に提案をしたり
長野県に意見書を出したり
SNSを使ってこの活動を周知したりという役割を担っています。
娘さんを妊娠中に、
娘さんの心臓に疾患がある事がわかり
県内といえど高速を使用して1時間以上かかる場所から転院し
この子ども病院へ移り出産。
そのまま数日後には生後間も無い赤ちゃんの手術。
そこからは付き添い入院という形で
長期入院生活を過ごしたそうです。
出産という大仕事を終えて
普通ならばゆっくりしたい所を
お子さんの手術に対する説明、
大量の書類へのサイン。
命が誕生した喜びや感動、安堵よりも
怒涛のような日々。
産前からの長期に渡る入院生活。
見知らぬ土地。
病院の周りに歩いていけるような場所は、ほぼなく、
車も無かった為、院内から出る事が出来ず
売店の食事を、子どもの機嫌が良い時にササッと食べる。
という日々に、とても疲れを感じていたそうです。
その経験から
美味しい食事を食べることで
少しでもお母さんが元気になるんじゃないか。
子どもも大変だけれど
子どもの命を守ろうと思ったら
お母さんが幸せでないと!
と思い立ったのがきっかけだったそうです。
↑活動のチラシ
(院内掲載される場所も限られていました。なかなか人目につかない場所での掲示・販売でした。
病院側の立場や公共性を考えたら、仕方のないことかもしれません。この活動をスタートできたという小さなステップ自体が、凄い事だと思います。)
入院病棟のラウンジにいたお母さんにお話を伺うと
お弁当買ってます♡嬉しいです!
という声が。
茅房さんの活動、根付いて来ています‼︎
入院されているママと色々お話をして
別れ際、
『なかなか他のお母さんと話す機会も無くて、話しかけてもいいものか悩み、感情を抱えていたので、話すことが出来てスッキリしました』と言っていただきました。
このコトバにあるように、
入院している人はたくさんいるけど
ママ達は孤独である。
という現実を知りました。
私は母子が長期入院する事でどんな不都合があるのか、想像したこともありませんでしたが
今回の訪問でカルチャーショックを受けて
やはり、知るって大切だ!と実感しました。
茅房さんは今はお弁当の販売に携わっていますが
子ども病院近くの空き家などを利用し
食事も宿泊もできる
気軽に話すことができる
兄弟児のフォローも出来たらいいな、などなど
お母さん達の集いの場をつくりたいという夢があるそうです。
実際問題としては
茅房さんの住まいは遠方ですし
周囲の田園は農地転用は難しいらしく
課題はたくさんあります。
けれど
現場で働く看護師さん達もが
ママのストレスを感じる食事事情。
こうやって
当事者が立ち上がることに
大きな意味があるのだと思います。
私がどうしても彼女に聞きたかった質問もしてきました。
『私のように、応援したい!という気持ちのある一般人がいて、しかしお弁当を買いに行ける訳でもない、現地に赴ける訳でもない私達が出来るお手伝いって、なんでしょうか?』
この問いに大して
『SNSで発信する事によって
お米や野菜など、寄付してくれる方が増えてとても助かっています。
まずは知っていただく事、想いのある方が繋がることがとても大切です‼︎』と言っていただきました。
メッセージは必ず伝わる、と
真っ直ぐに見据える茅房さん。
イキナリ何かを変えることを望んでもおらず
調和と連携の中での道を探られていました。
どなたか、お知恵のある方
共感していただける方
同じ想いがある方は
是非彼女のページをシェアしてください。
ただいま、活動や理念をわかりやすくお伝えする為のblogなども準備中との事です‼︎
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